①それがあれば生きていけるもの

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運があれば何とか生きていける。




実際今存在しているということは人類史における進化の過程の中から先祖が淘汰されることなく精子だった俺が卵子と結びつき細胞分裂を繰り返し、生まれてきてしまったのがこの俺なのである。




だがしかし、金が無い。中学生だから仕方がないと今は思えるのだが、この仕方がないというのが腑に落ちていないのが中学生だった俺だろう。




ずっと金が無かった。あったかもしれないが自分で使える金が無かったのだ。



お年玉は貰ってもその日に使うか、親に貯金といわれて自分では使えない。



家が貧乏だったのだ。




土地の安い人里離れた場所で何もよく考えずに行動する父親の影響で家を建てたものの、ローン支払いのために内地に出稼ぎと中卒の母親の間に生まれた。



そして中卒の母親はいつも家に居なかった。今思えばバイトか何かを学歴で中卒でも雇えるような飲食関係の仕事をしていたのかもしれない。



そして母親は外では気を使いやたら遠慮しすぎるくせに、家ではヒステリックなやたら気難しい人だった。




父親が年にお盆休みと正月休みに帰ってくるだけの存在でしかなく、家ではいつも3歳上の姉と母親の機嫌を気にしつつ過ごす日々の毎日。




母親は潰れそうな店をやらないかと言われてやって俺が中学生になるころには借金をかかえていた




姉は容量良く何でもできるが、俺は弟で辛うじて3歳年下の幼馴染たちと遊ぶ時くらいで、そうやって周りの環境から程よく社会性を身に着けたくらいの人格で形成されていただけの存在だった。





貧乏すぎて家に友達を連れてくることは禁止だったため、学校での友達は学校内までの関係でしかなく、帰りは歩いて同じ方向までの奴がいなかったので大体一人でいつも帰っていた。





そんな中学生になった俺に声をかけてきたのが同級生の荻堂だった。






麻雀しない?





昼休みに麻雀カードを渡されてトランプやる感覚で人数集めに俺を誘われたのが始まりだった